RIZI.30 第三試合 太田忍VS久保優太
「レスリング世界選手権優勝」の太田忍VS「元K-1王者」の久保優太の試合
異種格闘技戦として大きな注目を集めました。
太田忍選手は2020年の大晦日に所英男戦でMMAデビューをし、今回が2戦目。
一方の久保選手はMMAの練習を本格的に始めてまだ3ヶ月ほどで今回がMMAデビュー戦。
MMAの経験値に大差ない二人なので勝負論のある試合でした。
太田忍選手の武器はやはり「投げること」。
同じ階級のトップ選手であり、レスリングが得意な扇久保選手とグラップリングのスパーをした際「ここで勝負したら殺されるな」と言わせるほどの組み力。
久保選手の武器は「打つこと」。
K-1時代、王者のまま引退をした久保選手ですが、同じ階級にはもう相手がいないほどの強さでした。
究極の「投」対「打」
そんな試合が遂に始まりました。
眼光鋭い両者
ゴングが鳴り即突っ込んできた太田選手に対して、久保選手の前蹴りがヒット!!!
すぐさまパンチで仕留めにいく久保選手
しかし、仕留めきれず太田選手に組みつかれてしまいます
太田選手は一度組んでしまえば確実にテイクダウンを取る力を持っていますし、押さえ込み続ける力もあるはずなので、ラウンドが終わるまで太田選手の一方的な展開になる、とこの瞬間思いました。
しかし、久保選手はグラウンド状態でのディフェンスがとてもうまく、太田選手の攻撃をクリーンヒットさせません。
太田選手がパウンドを放つ隙を突いての蹴り上げ!
久保選手のディフェンス力により、クリーンヒットこそもらいませんでしたが、押さえ込まれながらコツコツと打撃を被弾し続ける久保選手。
ラウンドが変わり再びスタンディングからのスタート。
久保選手はここで攻めていきたいところですが、距離を詰めた瞬間に再び太田選手にテイクダウンされてしまいます。
1ラウンド目と同じ展開へ。
相変わらず久保選手のディフェンスはうまかったですが、グラウンド状態からコツコツと当て続けられるパンチで出血が見られるようになってきました。
途中で肩固めで極められそうになる場面も
2ラウンド目も太田選手が漬け続け終了。
久保選手の奥さん、サラさんも心配そうに試合を見守ります。
自分の旦那が一方的に攻め続けられる姿を見るのはかなりきついでしょうね・・・。
第3ラウンドに入り、久保選手の前蹴り以来のスタンディングでの打撃が出ます。
遠い距離からのローキック。
近い距離になってしまうとどうしてもタックルが入りやすくなってしまうため、久保選手はこれをコツコツ当て続けたかったですね。
一瞬膠着した瞬間に太田選手のタックル
テイクダウンを取られてしまいます。
一度ブレイクでスタンディングに戻るも、近い距離で攻めようとする久保選手に太田選手のタックルがすぐに決まってしまい、再びテイクダウン。
1ラウンド目から終始同じ展開で試合終了。
判定3-0で太田選手の勝利
今回の試合は太田選手の強さというよりは、久保選手のディフェンス力が印象に残った試合でした。
MMAを始めて3ヶ月ほどの選手が、慣れないグラウンドでの攻防でクリーンヒットをさせないディフェンスを終始していた。そんな事が強く印象に残りました。
太田選手はこれから自分の適正階級であるバンタム級にて、猛者達をバンバンとテイクダウンしていく姿が想像できます。
テイクダウンからの打撃なり極め技なりを磨いて行くと、とんでもない化け方をするのではないでしょうか。
久保選手はMMAでの打撃の距離感であったり、テイクダウンディフェンスを磨くととんでもない化け方をすると思いました。
それぞれの世界でトップを取った選手が、今後RIZINで活躍していく姿を楽しみにしています。