RIZIN.30 第五試合 武田光司 vs. 矢地祐介
日本人ライト級エース決定戦。
武田選手は現DEEPライト級王者。
現修斗チャンピオンの川名選手、現パンクラスチャンピオンの久米選手に勝利し、国内ライト級最強と言われています。
矢地選手はブランクに陥った後、練習環境を大きく変え臨んだRIZIN.29にて、現修斗チャンピオンの川名選手に完封勝利し、「ブランニューやっちくん」の誕生を示しました。
両選手の師匠である、山本KID徳郁選手と宮田和幸選手は2006年に試合をしており、
KID選手が「伝説の4秒KO」で宮田選手に勝った試合が有名です。
そんなKID選手を師匠に持つ矢地選手が開幕に魅せてくれました。
開幕と同時に武田選手へダッシュしそのまま飛び膝蹴り!!!
15年前のあの試合を再び見ているような感覚でした。
開幕早々に飛び膝蹴りをくらった武田選手でしたが、パニックにもならず冷静でした。
前じりじりと出てくる武田選手。
そこへ早々に出ました矢地選手の間接蹴り
RIZIN現ライト級チャンピオンであるホベルトサトシソウザ選手との試合の時にも使っていましたね。
すごく自然に、流れるような動きの中で放っています。
じわじわと圧力をかけてくる武田選手に対して、距離を取りながら打撃をコツコツと当てていく矢地選手。
武田選手がコーナーに押し込みますが、脇を差されて思うような動きができません。
膠着状態が続き、ここでブレイク。
離れた状態からのリスタート。
矢地選手のカーフキック。今試合は蹴りを多用しています。
セコンドからは「ナイスぅナイスぅ〜」とナイスのコンボ。
近距離での殴り合いから、武田選手が組み付きすぐさまジャーマン!
武田選手上のグラウンド状態に入ります。
そしてすぐにアームロック!
組み付きからのジャーマンからのアームロックまでの流れがあまりにスムーズで、武田選手の強さがこの一瞬で感じられます。
和田レフェリーから「ギブアップ?!ギブアップ?!止めるぞ?!」と言われるも、手を振り大丈夫とアピールする矢地選手。
アームロックから何とか脱出しようともがく矢地選手ですが、もがいている中で両足で挟んでいた武田選手の右足を離してしまいます。
フリーになった武田選手の両足の間には矢地選手の頭が。
ここですかさず洗濯バサミをする武田選手!
一瞬の隙も逃しません。
しかし、すぐに矢地選手が手で洗濯バサミを引き剥がします。
両者立ち上がるもすぐにコーナーに押し付ける武田選手。
両者脇を差した状態へ。
セコンドの宮田さんから「顔面気をつけて」という声が聞こえます。
この状態からどうやって顔面蹴るんだよ・・・っと思った次の瞬間!
バチコーーーーーーーーン!!!!!!!!!
見事に矢地選手の膝蹴りが武田選手の顔面にヒット。
宮田さんの言った通りに。
しかし武田選手タフ。全然動じず、削られてる感じも出しません。
何度もジャーマンを狙いますが、防がれます。
ブレイクがかかり、両者離れた位置からのリスタート。
ローキックをコツコツ当てる矢地選手。
武田選手の打撃もよく見切っています。
ここで1R目終了。
アームロックや洗濯バサミなど危ない場面も多かった矢地選手でしたが、冷静に対処し、打撃をしっかりと当てていました。
2R目開始。
ジャブでうまく距離を取り武田選手の距離にしない矢地選手。
半ば強引に前出て組みつく武田選手。
片足を持たれながらも倒されず、飛び膝まで放つ矢地選手。
そして再度、組みついた状態からの膝蹴りー!
武田選手にバックを取られますが、しっかりと体を落として対処しつつも、顔面にパンチを当てる矢地選手
しばらく膠着状態が続きブレイク。ブレイク直後に矢地選手の膝が武田選手の下腹部に当たってしまいます。
あのマッチョマンからの膝が下腹部に・・・。
考えるだけでも血の気が引きます・・・。
立て直して再開。
武田選手のパンチを打ちながら強引に前に出てきてからの組み付き。
矢地選手、コーナーに押し込まれます。
しかしここで、矢地選手が足を掛けテイクダウン!
すぐさま腕十字に移る矢地選手ですが、これはかわされます。
ここで2R目が終了。
このラウンドは完全に矢地選手が武田選手を封じたラウンドでした。
付き合ってください。
ありがとうございます。(?)
ファイナルR。
ジャブで武田選手に入って来させないようにするも、打撃で強引に前に出てきて組みつく武田選手。
組みつくも、またもや矢地選手の膝蹴りがヒット。
武田選手の右目辺りはかなり腫れ上がってます。
膠着状態の後、ブレイク。
離れた位置からのリスタート。
矢地選手の打撃は当が武田選手の打撃は当たらない。
再び組みつく武田選手。
何もさせてもらえずに再びブレイク。
矢地選手の打撃を返す武田選手がここで吠えます。
久米選手との試合の時もファイナルRで打撃を打つたびに吠え、異次元のスタミナを見せ勝利した武田選手。
今回もビーストモードへ突入しました。
「ウウウォイ!!!」
矢地選手も吠え返します!
「ッタァ!!!」
じりじりと圧力をかけコーナーに追い込み組みつく武田選手。
片足を取るもテイクダウンできません。
そしてブレイク。
打撃の応酬になりますが、矢地選手の方が当てていきます。
ここで試合終了。
3-0で矢地選手の判定勝ちとなりました。
前戦の川名戦にひきつづきの完封勝利。
武田選手の持ち味であるレスリング力を完全に封じ、打撃をコツコツを確実に当て続けた危なげない試合でした。
国内最強と言われていた武田選手を完封した矢地選手は、現在間違いなく国内日本人ライト級のトップだと思います。
長いブランクを経て、練習環境を一新し誕生した「ブランニューやっちくん」。
大晦日にチャンピオンであるホベルトサトシソウザ選手とのタイトルマッチ兼リベンジマッチが組まれるかどうか。
時間はまだまだあるし、その資格も矢地選手にはあると思います。
楽しみ。